生後1カ月の長女を揺さぶり頭に大けがを負わせて死なせたとして、傷害致死罪に問われた父親の中馬隼人被告(43)の裁判員裁判の第4回公判が24日、東京地裁立川支部であった。暴力的な揺さぶりを証明するとされてきた理論をめぐり、検察側と弁護側が賛否両派の専門家2人を呼び、同時に証人尋問をする「対質(たいしつ)」を実施。約1時間にわたり、激しく意見を戦わせた。
問題となっている理論は、「乳幼児揺さぶられ症候群」(SBS)。急性硬膜下血腫、眼底出血、脳浮腫の3症状があり、高所からの落下などの事情がなければ暴力的な揺さぶりがあったと推定できるとするもので、虐待事件で親の刑事責任を問う根拠に使われてきた。最近は懐疑的な見方も出ており、裁判でも無罪が相次いでいる。
検察側からは、今回も含め多くのSBS鑑定を手がけ、理論の推進派として知られる前橋赤十字病院の溝口史剛(ふみたけ)・小児科医が出廷。弁護側は、長女の解剖記録や溝口氏の鑑定を検討した法医学者の吉田謙一・東京大名誉教授を呼んだ。
溝口氏は、長女の肋骨(ろっこ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル